「最先端医療はここまですすんだ」という講演会
「最先端医療はここまですすんだ」という日本医師会主催の講演会が、
木曜日、リッツカールトンホテル大阪の地下2階にあるハービスホールでありました。
最先端医療に関しての、講演会です。800人の方がこられていました。
演題は2題。最初の講演は「オーダメイド医療」(中村祐輔先生)
がん細胞表面のペプチドを標的としたリンパ球産生を促進し、がん細胞のみを攻撃するという自己免疫治療に関する講演でした。
治療を施した症例の40数パーセントで延命効果がみられました。私の専門外で正確に評価できる立場にありませんが、化学療法も無効で手の施しようのない症例でこれほどの成績を得られたのは画期的なことと思います。
ただ、オーダーメイドの名が示すように、HLAのタイプが合致しないと適応とはならず、治療効果もすぐに現れない(遅延効果)ことなどが課題といえそうです。
2題目は「iPS細胞の可能性と課題」と題し、この分野では第1人者である山中伸弥先生の講演でした。
ヒト皮膚細胞から遺伝子操作を行い、ES胚細胞類似の細胞(iPS細胞)を作り出したこと。iPS細胞が再生医療に利用されていることはもちろんのこと、治療薬開発のための病態モデル(ALSなど病態モデル作成困難な疾患など)作成にも利用されていることなど、万人にわかりやすい講演内容でした。
山中先生は主に京都(京大)で研究されていますが、毎月サンフランシスコに出張され日々忙しくされているご様子でした。(マイレージが貯まりそうだなと、不埒なことをまず考えました。)
両講演とも、日々臨床に明け暮れる一開業医にとり刺激的な内容でした。
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